徒然な日々・零式

クラシックの演奏会を中心にあれこれと書いていきます。

An encounter and fusion ~出会いと融合 ~ CLASSIC & JAZZ(8/22)

クラリネット:鈴木直樹・品川政治
チェロ:山内俊輔
ピアノ:沢野(灰原)智子・阿部篤志

鈴木さん&山内さん&沢野さんが音楽高校の同級生で、三人で何かやりたいね~という話になり、卒業後、鈴木さんがジャズ畑で、山内さんと沢野さんはクラシックで活躍されているので、このようなタイトルになった由。

以下、演奏者を敬称略で記すけれど、まちがいあるかも知れませんのでご容赦のほどを。

JAZZ(鈴木・阿部)

幹になる曲はスタンダードだったはずだが、さすがはジャズメン。どんどんとインプロしていき、最初からノリノリです。客層がわからなかったので、どうなるかと思いましたが、鈴木さんのリスナーが多かったようで、つかみはオッケー的に始まるのだった。

2本のクラリネットのための2つの小曲集より「第1番 ハ短調」(メンデルスゾーン)(鈴木・品川・沢野)

初めて聴く曲だったが、後で調べたら Konzertstück für Klarinette und Bassetthorn だそうで。そしてメントリの時と同じことを思う。「ピアノが忙しそうだ」・・・って、あのさ、元々は協奏曲ですよ?それをトリオに編曲したんだからピアノは大変に決まってるじゃないですか。ほんでもってまたいつものごとく思う。なぜかメンデルスゾーンの曲って幸せ感漂うのよね。もちろん彼の生涯には様々な不幸もあったのだけれど、それでも何か・・・って、私はそれを勝手に彼は幸せな家庭に育ったからなのではないかと思っている。家族って大切だよねぇ。

コル・ニドライ(ブルッフ)(山内・沢野)

チェロの曲としてあまりにも有名で、今更なにをくどくど書くこともないのだが、今宵山内さんは、先日急逝されたオーボエ奏者、小林裕さんのために・・と言って演奏した。縁あって、小林さんの演奏を時々聴いていた私にもあまりにも早すぎる旅立ちはショックであったので、色々なことを思い出しながら聴いた。

三重奏曲 変ロ長調 「街の歌」より 第一楽章(ベートーヴェン)(鈴木・山内・沢野)

クラリネットの代わりにヴァイオリンで演奏されることも多いけれど、元々はクラリネット三重奏曲で、チェロをホルンで演奏して演奏も聴いたことありますが、とにもかくにも、私は山内さんの演奏でこの曲を聴いたこと限りなくありまして、久々に目の前で聴いたその音は、いつも変わらず私に心地よさを下さるのだった。

チェロ独奏(山内)

あれ?ピアニストはどちらだっけ?曲名が思い出せず、終演後にそれを聞くのも忘れ、もうほんとしょーもない私であります。

アヴェ・マリア(グノー/バッハ)(鈴木・品川:山内)

まぁなんと主旋律はチェロでありました。山内さんはご自分をオーケストラ・プレーヤーであると仰ってたことがあり、多分それは今も変わらないのではないだろうか。だからあまりソロで演奏されることがなくて、ほとんど追っかけをしているような私には、大感激でありました。

クラリネット・オン・ザ・タウン(ハーマン)(品川・阿部)

少しでも管楽器の世界(吹奏楽とか金管バンドとか)にいたことがあれば、おそらくは知らない人はいない曲だろう。アップテンポのパートでは手拍子しながら聴いたけれど、演奏者もMCの鈴木さんも表拍でとったので、多分それでいいんだろう・・・すぐに裏拍でとる私がおかしいのかも知れない。

鈴懸の径(灰田晴彦)(鈴木・品川・阿部)

鈴木さんのライブではこの曲が必ず演奏される。なぜか。この曲の代名詞と言っても過言ではないクラリネット奏者、鈴木章治さんは直樹さんの伯父なのであるから。このライブがあることを知ってチケットを買うために直樹さんの事務所に電話をしたのだが、その名前は「スィングエース」と言う。そうかそうなのかと「リズムエース」を知る世代の私は納得していた。

さて、この曲を聴くにあたり私は自らの歳及び変な知識を再認識せねばならなかった。今宵の聴衆の半分近くはこの曲を知らず、そして知っている人の多くは倍賞千恵子が歌っている歌だと思っていたのだ・・・灰田勝彦なんですがぁ。そして69年生まれの鈴木さんは、この曲の生まれた年が戦中であるこを知らなかった・・・のはしょうがないか。物心ついた頃には、すでに伯父さんがこの曲のそれこぞ不動のエースであり、曲の蘊蓄なんて関係なかっただろうし。

でもさ、最近よく考えるんだよね。この曲はすでに敗戦色濃くなった42年にリリースされている。戦意高揚な曲がもてはやされ、洋楽なんてそれこそ敵性音楽みたいに言われてた時代に、こんな素敵な曲を作れた人もいたんだなぁってことを。

リベルタンゴピアソラ)(全員)

ジャズメンの真骨頂個ここにありの演奏で、ワンドリンク欲しくなりました。しかしながら他意はないとしてお読み頂きたいのですが、このような異業種交流的なライブは、ジャズ系の方がリードとりやすいかな。

恒例にしたいと主役の三人は仰っていましたが、そうなるといいな。