徒然な日々・零式

クラシックの演奏会を中心にあれこれと書いていきます。

geben

「与える」・・・英語の give と似てる。

最近よく使われる「感動を与える」。私はこれに違和感があってしかたない。与えるとはそもそも、目上の人が何かを目下にあげることだと思うのだが。
クリスチャンではないので断定はできないが、神が下されるものを表現するときに geben や give が使われていたかも。

「感動を与えて勇気を持ってもらいたい」・・・う~ん。

「感動して勇気を持ってもらえれば(私は嬉しい)」・・・これも変だな。

ではシチュエーションを考えよう。仮に私が演奏家で被災地で演奏会を開くとする。

与える表現だと

「演奏で皆様に感動を与えて、前に進む勇気を持ってもらえれば」てな表現になるかな。

でも私はそうは言わない。

「音楽を聴いた感動で、前に進む勇気がわいてくるかも知れない。そのような思いをこめて演奏したいと思います。」

これもいささか変ではあるが。

みんな上から目線の気持ちなどなく、なんとなく使っているだけだろうが、気持ちとしては「お手伝いをしたい」ということなのだろうし。

あぁ あの言葉がある。

「復活」・・・この二文字に全身全霊をこめて、皆さんと共に、
祈りをささげたいと思います。 大野和士


2011年8月。サントリーホールで大野さんが「復活」を振った時に、プログラムに記載されていたこの2行。

これで十分。私には。