徒然な日々・零式

クラシックの演奏会を中心にあれこれと書いていきます。

国立音楽大学 夏のコンサート2018(8/1)

我が家は都下のど田舎であり、市名を言っても「どこ?」と聞き返されること多々。しかしそのど田舎最寄り駅から徒歩10分弱のところに国立音楽大学はあるのだ。しかして、このあたりで「音大」と言えば国立音大を意味する・・・なんてことはどうでもよろしいか。

毎年夏の恒例コンサート。音大で教えている演奏家さんたちが、コンサートを開く。しかも無料で。幸いにも今年は休みの日に当たり、しかもヴァイオリンの白井篤氏がお出ましとなれば、猛暑もなんのその、「徒よりまうでこ」。

えーと。このブログは頑張って続けるつもりですが、演奏会のプログラムでは敬称略といたしたく候。

トスティ:君なんかもう愛していない
ジョルダーノ:「アンドレア・シェニエ」国を裏切るもの
ヴェルディ:「ドン・カルロ」私は死ぬ
ヴェルデイ:「仮面舞踏会」お前こそ心を汚すもの

バリトン:成田博之  ピアノ:住友郁治

かつては「オペきち」に近かった私であるが、事情によりオケ通いにシフトして大分たち、成田氏はもしかして大野さんのトリスタン(の舵取り)以来?いやいやそんなことはないだろうが、そんな過去のことよりも、ジェラール(国を裏切るもの)のかっこよさったらない。

そもそもオペラにおける低声とは不遇を託っているものであり、主役なんぞはテナーがさらっていくんであるが、私はかなりの「低声びいき」であり、ジークフリートがどんなに高らかにノートゥングを鍛え上げても、さすらい人の方が好きだったりするんである。

しかしながら、名アリア、しかも感動をもたらすようなアリアもたくさんあり、よしんばそれが悪にほくそ笑む警視総監だっとしても「テ・デウム」に惚れるんである。

大野さんが初台の監督にご就任されるんであるからして、またオペラシフトすっかな。

モーツァルトクラリネットヴィオラのための三重奏曲 変ホ長調
       「ゲーゲルシュタット・トリオ」

ピアノ:久元祐子 クラリネット:武田忠善 ヴィオラ:松井直之

もう10年近くも前に一度だけ聴いたけれど、あのコンサートを主催されていた礒山氏はこの冬かな、旅立たれてしまった。秋に追悼コンサートがあったはずだけれど、調べなくては。

音大学長でもあられる武田氏の音は、素敵でありました。


シューマンピアノ五重奏曲より第一楽章

ヴァイオリン:永峰高志・白井篤 ヴィオラ:松井直之 チェロ:藤森亮一 
ピアノ:住友郁治

シューマンのこのPQは、私にはとても思い入れのある曲である。くどくどと書いてもしょうがないので、書かないけれど、興味があったら、右のリンクから検索してくださいませ。ミーハー思い入れがゴロゴロと出てまいります。

だがしかしっ!

今日、初めて気づいた。私は男性ピアニストでこの曲を聴いたことがなく、そして初演がクララだったので、女性が演奏するのがしっくりくるものだと、思い込んでいた節がある。

であるからして今日の演奏で「ぶっ飛んだ」。

永峰氏のヨアヒムの艶めかしい音。白井氏のなめらかな音。煌びやかな藤森氏の音。まだ若いけれどしっかりと中支えをしている松井氏の音。

そしてっ!

自在に変化し、圧倒的存在感をしめした住友氏の音。

機会があるならば、このメンバーでぜひに全曲を聴きたいと思った次第。

(国立音大講堂 自由席 4列)