N響B定期(5/22)
指揮:ネーメ・ヤルヴィ
オルガン:鈴木優人
(以前にも書いたがこのブログでは基本敬称略。)
イベール/モーツァルトへのオマージュ
フランク/交響曲 ニ短調
サン・サーンス/交響曲 第3番 ハ短調
N響首席指揮者であるパーヴォ・ヤルヴィの父君であるマエストロを、演奏者も聴衆も「パパ・ヤルヴィ」などと呼んでいるのだが、パーヴォと私は年が近いので、いずれ歳は親世代・・・はい、お元気であられます。
その闊達さを具象化したような演奏であり、駆け抜けてった感あり。そして音楽のつくりかたに時々パーヴォを彷彿とさせるものありて、いやそれは逆か、いずれ似てくるものあるのだろうか?
・・・といささか理屈っぽく書いているのは、N響の演奏にままみられる「指揮者へのリスペクトがあるから」という演奏と感じたから。オケメンバーとは言え、各々優れた演奏家であり、そこには意志が存在する。それを折り合わせてというか、その意志を統一させることによってオケの音はつくられる。
オケメンバーのソロリサイタルに行くと、それを顕著に感じることができるのだが、指揮者が強烈にドライブしたとしても、オケは行きたい方向があり、それに逆らうとまでは言わないが、それをやんわりと制して己の方向に行くかはケースバイケース。
Er wollen dass tun. Aber wir koennen das so nicht.
とまでは言わずともですね、どうしてもそっちへ行っちゃうってのあるでしょ?今宵はそうならないように頑張ってる演奏・・・とも表現できますかいな。
しかしながら私は今日の定期を否定するつもりは毛頭ない。不遜な言い方かも知れないけれど、オケとはマエストロの音楽の具象化であり(それが嫌なら徹底的にあらがうだけのことだろう)、具象化されたものをどう感じるかが私のスタンスであるから・・・ただ一人の御方をのぞけば。
(サントリーホール RA2列 12番)