徒然な日々・零式

クラシックの演奏会を中心にあれこれと書いていきます。

五島美術館 ミュージアムコンサート(7/3)

(もしお時間があるのなら、トップページの「昔の話」でクァルテット・リゾナンツァと検索して下さると幸いである。このブログ主がどれほどにこのクァルテットを愛しているかが溢れていることをおわかりになると思う。)

ヴァイオリン:白井篤・山口裕之
ヴィオラ:小野聡
チェロ:山内俊輔

かつては定期演奏会を毎年やっていたが、皆様多忙であり、かつ(そしておそらく)数年前にベートーヴェン・チクルスを終えられたのを一区切りに、ほぼ年に一度のこの演奏会でしか演奏してないかな。

とにもかかくにも、私がこよなく愛するクァルテット・リゾナンツァである。

弦楽四重奏曲 第75番(ハイドン)」

初めて聴いた・・・ってハイドンの多作を考えれば全部聴いてるはずないだろう。小野さんが曲ごとに前説をして下さるのだが、ベートーヴェンに相通じるようなスケールの大きな曲です・・・ふむ確かに。そしてどこかピアノソナタを想起させる感もありました。

弦楽四重奏のための緩徐楽章(ウェーベルン)」

余談ながらウェーベルンの最期について小野さんの解説で初めて知った。この春は「刑事フォイル」の最終シリーズを視ていたから、欧州にとっての第二次世界大戦とはどのようなもので、また戦後における国民感情はどうであったのか等々、調べたり考えたりしていたので、ちょいと曲に入り込む心の準備がおくれてしまったのだが。

Herr Shirai ! Diese musik ist fuer sich !

冒頭のヴァイオリンに痺れた。白井さんの音を知っている人ならばここに叫ぶ私の気持ちがわかるだろう。終演後に「ヴァイリンソロに編曲して弾いて欲しい」などと勝手に図々しいことを言う私に、いつものようにニコニコと「いやいや、あれはSQのための曲ですからね~」・・・わかっておりますよ~・・・ついついこの口が~この口が~。

(そうそう、進行役の学芸員さんは「緩徐(かんじょ)」という単語を初めて目にして読めなかったと言っていた。たしかにIMEATOKもまっさら状態では一発変換しなかったかも。私のPCは学習してるから出るけどね。それで検索してみたら医療現場ではよく使われる単語のようだ。一つお勉強したぞ。)

弦楽四重奏曲 第9番(ベートーヴェン)」

『ラズモフスキー 第3番』としても知られるこの曲。小野さん曰く「演奏者が頑張れば立派に終わります」・・・あぁ今回はそんなジョークを交えて解説されるんだな。もうあれから8年。私はある理由があって、SNSであの年のことは語らないことにしているけれど、このリンク先の演奏会での小野さんの最後のご挨拶は忘れられない・・・はい、その話はここまで。

立派に終わりましたよ!さすがでございます。このクァルテットの要であります山口氏はとても厳しいリハをされるそうですが、それあってこその演奏であろうし、ベートーヴェンが演奏者に要求するものの真髄ここにありってことで。

「ノヴェレッテよりスペイン風(グラズノフ)」(アンコール)

山内さん、そんなにいきなり全開でいかないで~。かっこよすぎるでしょ~(って終演後に言うの忘れた…)。

そしてこのコンサートにはお決まりのアンコールがもう一曲ある。

「夕焼け小焼け」

美術館閉館時に流れるこの曲。編曲が素敵なんだけれど、どなたの編曲なのかいつも聞こうと思って忘れる・・・いや、聞いたことあるかも知れない。

また来年も聴きに来られますように・・・いや、来られないようなら仕事辞めてしまおうかな。