徒然な日々・零式

クラシックの演奏会を中心にあれこれと書いていきます。

サントリーホール サマーフェスティバル 2019 ~サントリー芸術財団50周年記念~(8/23)

大野和士が語る〈現代オペラ〉クロニクル」

お話:大野和士
司会・進行:岡部真一郎

ゲスト:
アンドルー・シュレーダーバリトン
スザンヌエルマーク(ソプラノ)
藤木大地(カウンターテナー

「クロニクル」とは「年代史」だそうな。現代オペラについてのレクチャーとでも言えばよろしいか。

youtubeの映像なども使い、世紀が変わる前後、またエポックメイキングな出来事などをタームとして、代表的な作品を紹介した前半。どこからを古典とするかはわからないけれど、例えばバイロイト演出などの「置換」ではなく、作品を探し(これがなかなか大変らしい。新国立の「紫苑物語」のレクチャーに行った時に、大野さんが「書店に行くたびに作品を探すんです」と仰って、そういえば木下牧子氏も以前ブログで書いていたっけ)、テキストを書いてくれる人を探し、演出家を探し・・・その中に「現代」が投影されるのが現代オペラなんだろうか?と考えたが、それは私の中だけでのことだ。

とは言え、旧ソ連時代の政治介入は過去のものとしても、現代においてなお、「宗教」は西洋音楽に強い影響を受け、また与えるものでもあるらしい。もうこれ以上は私の思考では無理だけれど、それでも大野さんの十八番であるそのあたりの作品を初台で公演して欲しいものです。

後半はこのシリーズのメインである「リトゥン・オン・スキン」について。実は二公演とも行くので、かなり前から予習はしていたのですが、やはり大野さんの読み込みは凄いよなぁ~・・・ってなんと失礼な。

プロテクターと天使のやりとりを少し演じて下さったのですが、テクストの明瞭さに驚いた。英語は音符に乗りやすいとは思うが、これはテクストがすぐれているからだろう・・・私にも理解できたんだから。

ある意味かなり不条理的な面もあるオペラであるけれど、どんどん楽しみになってきたぞっ!