徒然な日々・零式

クラシックの演奏会を中心にあれこれと書いていきます。

手術の後(当日)

病室に戻ったのは10時過ぎ。安静にしていればあとは何をしていてもよいので、主人に終了の連絡だけしてゴロン。

 

11時ごろかな、主治医が見に来てガーゼをちょいとめくり「大丈夫みたいだね。痛かったらすぐに言ってね。」・・・よくわからんけど、手術そのものは成功したってことかな。

 

病院のご飯は美味しいのですが、術後の昼食はあまり食べられませんでした。顔半分覆われていたのでなんだか気持ちが沈んでまして。

 

昼食後、左眼が傷み始めた。ズキズキではないけれど、眼球の中にイガイガがあるような感じ。ここは病院でしかも手術したばかりです。痛いのを我慢する必要などないし、自覚症状は痛みだけでも、他に何か起こってるとも限りらないので、すぐにナースコール。先生に連絡してすぐ行きますね〜と、すぐに来てくれました。

 

痛み以外に吐き気などはないですか?なければこれを飲んで下さいと、錠剤を渡されました。飲んでほどなく痛みはおさまり、ついでに眠くもなったのでうとうとと夕方まで。

 

その後痛むはなかったけれど、眼帯がわりのガーゼが、多分涙でグチョグチョしてきて、重いし気持ち悪くなってきました。看護師さんにそう言ったら「ガーゼは明日まで外せないけど、取り替えることはできると思うから聞いてみますね」と確認して、ガーゼを取り替えてくれました。絞れるほどにグチョグチョだったから、ほんとありがたかった。さっぱりしたので夕食はしっかり食べられました。

 

夕食時間の時に、夜勤看護師さんが挨拶に来るのですが、もしまた痛くなったら、もう一度薬を服用できますよとのこと。カロナールが処方されてました。カロナールで収まる痛みだったのか。なら心配いらないかな。

 

さて、角膜移植は手術後の方が大変です。まずは「眼に触らないこと・圧迫しないこと」。まだガーゼを当てているので、触る心配はないけれど、寝てる間に布団に顔を押しつけたりしたらダメです。

 

手術後病院で2泊しましたが、夜の見回りで看護師さんは必ず私の顔を確認してました。ライトでかすめてましたね。

手術②

手術室には執刀医(主治医)と助手の医師、そして看護師の三名。コロナ禍ということもあるだろうけれど、静寂の中で手術は進みます。手術台は歯医者さんの椅子みたいなもので、リクライニングしていきます。

まず瞼を閉じないようにする機械で眼をこじ開けます、金属の冷やっとした感と若干の圧迫感はありますが、既に麻酔が効いているらしく痛みはありません。瞬きができないと眼が乾いてしまうような気もしましたが、やはり麻酔のせいなのかな、ドライな感覚はなしでした。次に手術部位のみ見えるような布を顔にバサッ!

見えないと言っても視力がないわけじゃないので、開いてる左眼で何をしてるのかが見えていたのですが、いきなり縫合をしていまして、え?いつ切った?・・・眼球を固定するためのリング逢着でした・・・。

 

手技はたくさんの工程があるのですが、「あ。角膜切り取ったんだ」とわかる瞬間がありましたね。言葉にするのは難しいのですが、何かがなくなった感覚を意識したと言うか。ではその逆に縫いつけたかどうかは、というとわからなかった。

「先生、両方とも培養に回しますか?」

 

と看護師さんが聞いていたので、もう縫合終わって、病理に出すんだなとわかった次第。

ここまでは痛みもなく淡々と進みましたが、最後に(多分)眼球の洗浄をするのですが、これがとても痛かった。麻酔が効いているのにしみて痛い。「痛い~」と言ったら助手の先生が「あぁこれは痛かったかな~」と言いました。

局所麻酔の場合、スタッフは患者に話しかけたりします。「少し痛いですよ」とか「今から○○します」とか。

でもそれは全くなかった。上に書いたようにコロナ禍で会話は憚られると言うこともあったでしょうが、スタッフの言葉に反応して患者が動いてしまうことを防ぐためだったのかも知れないですね。

ほぼ顔の半分をガーゼで覆い、手術が終了しました。50分ぐらいだったでしょうか。病室には車椅子で戻り、そのまま横になって安静。

手術①

手術開始は朝の9時。不測の事態に備えて朝食は抜き。手術前に診察があり同意書にサイン。

 

麻酔は眼球のみ。不安だから全身麻酔を希望する或いは勧める病院もあるらしいけれど、寝てしまうとガクッと動いたりする。デリケートな手技なのでじっとしてて欲しいから、とにかく寝ないようにしてね・・・音楽流すからそれに集中してね・・・くどいほどに主治医に言われた。

 

診察後手術着に着替え、麻酔の点眼が始まり、車椅子で手術室に降りた。手術室に入り、名前と移植する眼の左右を確認して(左眼だけだったから)、点滴と血圧測定が始まった。

 

まず眼の消毒。これでもかこれでもかというほどに洗われ、次に眼球に麻酔注射。

 

「ほとんど痛くないけど、痛かったらすぐに言ってね。音楽に集中してて。ん?音楽流れてないよ?」

 

オーマイガ!音響が故障して音楽流れない。主治医は自分のスマホをつなぐからスピーカーを持って来てと言ったけど、違う手術室で使用中。

 

「5分おきぐらいに血圧測るから、腕がギュッとするからね。」

 

それを頼りに寝るなってことなのか?

 

頑張るしかなかった。

入院前日~入院

前日から片眼生活。先生が言うように「元々片眼で生活しているようなもの」だから、取り立てて不便ではないけれど、コンタクトって入れてると「そういう感覚」があるわけで(私だけか?)、片眼だけだと何となく違和感がある・・・移植前はそうだったんだ。(今は全然違いますが、それはまた後日の話。)入院準備と言っても前開きのパジャマを新たに買うぐらいだし。(術後は極力眼を保護する必要があるので、被り物は避けなくてはなりません。)


さて、ようやく角膜移植の詳しい体験記が始まります。

まずは入院期間。ネット検索すると角膜移植の説明がたくさんヒットします。実際に行っている病院でもアップしていますが、大体は入院期間を「1週間~10日」としているようですが、私は4日間でした。

日曜日の午後:入院
月曜日:手術
火曜日:術後診察・・・普通はそのまま退院なんですが

水曜日:翌週主治医が休診だからもう一度診察して退院

 

入院は午後。なーんもすることありませんから、ゴロゴロとスマホを見て過ごしました。四人部屋ですが、今はカーテンを閉めておくのが普通だし、コロナ禍で会話などしてはいけませんから、気を使うこともなく楽でした。

 

眼科と整形のリハビリ患者さんが入る部屋だったので、部屋のすぐ横がトイレでそれも助かりました。

 

手術前に診察があるので寝坊したらどうしよう・・・なんてこと考えながら寝ちゃいましたた。家族は心配していたみたいですが、私は意外と平気でしたね。

 

 

連絡が来た

2020年12月の始めの金曜日。都心に用事があり車で移動中、病院から電話がかかってきた。ドナーから献眼があり私に移植できそうだとのこと。

 

「お受けになりますか?」

 

仕事はどうにかなりそうだと思ったので受けると返答すると、入院は日曜日だけれど、明日PCR検査を受けにきて欲しいとのこと。うーん、朝一に病院に行くのはキツイ。今から行ってもいいですか?

 

検査から入院まであまりタイムラグがあるのはよろしくないけれど、入院まで「大人しくしていられる」ならいいでしょうとなり、そのまま病院に行って検査をして、入院の詳しい説明と術前の点眼薬を処方される。

 

「点眼を始めたらコンタクトは外して下さい。」・・・片眼だとバランス悪くて仕事に差し支えあるな。土曜日に仕事に行って休んでる間の引き継ぎをしようと考えていたんである。看護師さんに相談したら、では土曜日の夕方から外しましょうと言ってくれた。

 

ところが、職場に連絡してかくかくしかじかで検査受けますと話したら、検査結果出るまでは出勤したらだめですと言う。勤労厚生の事情はわかるし、上長もこのまま休んでもいいと言うので、検査結果だけ連絡しますとして休みに入りました。

 

検査したのが15時頃。攪拌が終わるのは日付が変わるころだから、土曜日の午前中に「陽性なら」連絡しますというシステム。

 

症状はもちろんないし、濃厚接触の場もなかったんだけどさ、土曜日の昼までは不安でしたね。

 

 

待機の終わり

そろそろと言われたのが2020年の春だったかな。しかし連絡は来なくて、でも新型コロナパンデミックのさなかだったから、事情もあるんだろうな・・・とまたもや勝手に納得していた。

定期通院は2ヶ月ごとぐらいで、2020年9月。先生が「ずいぶん待たされてるから確認するね」とアイバンクに電話をかけて、私の順番などを聞いたり、何やらごにょごにょ話し、通話が終わった後、

「次の順番になったから、3ヶ月以内には手術だね。今日はもう一度採血して、あと心電図もオーダーするから。」

いきなり先頭になった?

アイバンクってたくさんあって、主治医がそのどこかと連携して、そしてそこの待機リストに登録するんですね・・・手術直前まで知らなかったんですよ。まぁ、それで私はある大学の銀行に登録されていたんです。主治医が非常勤をしておりましたので。

 

そして3ヶ月以内?師走もあり得るわね。

 

「あの、年末年始とかまさかありますか?」「いや、それはないから。保存角膜もできるし。」

 

診察の後、看護師さんから「移植について」の冊子を渡された。かなり細かい字で、しかも白地だったから「ご主人に読んでもらって」と言われた。そっか、読むの大変な患者さんは他にもいるんだね。

 

口頭での補足説明で、電話連絡があったら大体その翌々日には入院すること、どうしても無理な場合は見送ることもできることなどを教えてもらった。私の仕事は12月の半ば以降から松が取れるまではまず休めないので、それまでに手術できるのであれば突発休みでいいや、有休は捨てるほどあるんだからと、心の中で算段をつけたら、最後に投下された。

「入院する前日にPCR検査を受けてもらいますので承諾書を書いてね」

 

・・・あちゃ~・・・PCR検査を受ける時のガイドラインかなり厳しいんだよね・・・でもバッくれて受けてもし陽性だったらただでは済まされない。

 

手術を受けるのも大変だ。

待機期間

角膜移植を言われた時、先生に「した方がいいですか?」と聞いてみた。「絶対ではないけれどした方がいいと思う」と言う感じの返答だったと思う。角膜移植は完全なる治療ではないから決めるのは自分ですよね。

 

(移植を受けても視力矯正は必要だから、それを承知して受けないと失望すると思います。)

 

転院して一年半ぐらいたったころ、そろそろ順番が来てもいい頃だからと、感染症の検査を(採血)して、移植についての詳しい説明があった。

 

⭐︎移植は片目だけで今回は左眼

 

両眼で待機はできない。国内ドナー移植のガイドラインで決まってるようだ。それに両眼同時に移植した場合視力が定まらない間は不便だしね。私の症状だとまずは左眼からがベストだったのかな。

 

⭐︎移植後は視力が全く変わるので今使ってるコンタクトは使えない。ひと月ぐらいは片目で生活する感じ

 

先生はニコニコと「ま、今も片目で見てるようなものだしね」と言ったっけ。それを聞いて、そうか、左眼はそんな状態なのかと、何となく納得した。

 

⭐︎国内ドナーの場合入院はかなり突然になる

 

そりゃそうですね。「明日ドナーさんから献眼あります」なんてわかるわけないですからね。一週間ぐらいで仕事してもよいから、職場には「突然一週間ぐらい休む可能性があります」と話しておけば・・・それはちと難しい話だった。

 

でも病院からの連絡は来なかった。